2007年秋、日系のフリーペーパーやネット掲示板で求職情報をチェックするのが日課となっていた僕はいくつか面接を受けに行った後、お世話になっている人の紹介でとある日系フリーペーパーのオフィスに採用が決まりました。

「勉強と実際の現場では求められるものが違うから君がどれほどPhotoshopを使えるかは分からないけど、やってみるかい?」

他にも気に入って頂けたオフィスもあったのですが、お世話になった方への恩を強く感じていたこともあって即答で雇っていただくことをお願いしました。

目指していたウェブ系の会社ではありませんでしたが、Photoshopを毎日一日中触れるだなんて僕にとっては願ったり叶ったりでした。

入社して1週間ほどで担当業務を任され、実務ペースで食らいついていけるように悪戦苦闘の毎日が始まりました。

刻一刻と締め切り時間が迫るストレスで何度も下痢になったり、集中するあまりに姿勢が崩れて肩こりや偏頭痛に悩まされるようになったりと、制作現場のタフさを身をもって思い知るようになりました。

1年間の集中期間の甲斐あってPhotoshopの基本的な機能を使えるようになったとはいえ、実際の現場で要求されるクオリティとは大きな開きがあります。

ソフトが使えるのは当たり前の最低ラインで、いかに機能的に使えるか、少ない時間で結果が出せるか、出来上がったものは世の中に出すのに十分なクオリティがあるかなど、「それを使ってお前は何ができるのか」という現場意識を毎日これでもかと見せつけられました。

はっきり言って、僕はまだまだ仕事で使えるレベルではありませんでした。

しかしながら、グラフィックソフトを使用する業界に入ることができたのは事実です。

「まずは業界に入らなければ何も始まらない。とにかく現場に入ることが大事だ。」と必死で勉強してきたんですから、この機会を逃すものかと下痢や偏頭痛に悩まされながらも毎日自分を奮い立たせて現場に挑み続けました。

仕事のペースが遅いので毎日数時間の残業、帰宅すればその日の自分の問題点を振り返って本を片手にPhotoshopの使い方の勉強をして就寝という毎日が延々と続きました。

今思い出しても仕事以外何もできなかったとても大変な時期でしたが、人生の転換期の中にいる手ごたえを感じていたのは事実で、今が勝負どきだと「俺は人生を切り開いていくと誓ったじゃないか!」と自分を叱咤しながら毎日スキルアップに励みました。

その甲斐あって数ヶ月で実務ペースに追い付き、周りのスタッフにもそれなりに仕事ぶりを認められるようになっていきました。

 

新しい世界への挑戦。

 

少しは人生を切り開くことができたのではないかと、少しだけ自分を誇らしく思えました。

やりたいこととできることの見極め、そこへ辿り着くために何が必要かとの現状分析、今すぐにものにできないなら時間をかけてスキルを身につけていくという計画性と忍耐力、何かを成すには持続力が絶対的に欠かせないことなど多くのことを学びました。

それはこれから後の人生に大きく関わってきますし、これからも大きく影響してくると思います。

2008年の7月には仕事もそれなりのペースでこなせるようになってきて残業時間も抑えられるようになり、だんだんと音楽に割ける時間も作れるようになってきました。

それまではギターものの音源ばかり作ってきましたが、スキルアップの一環としてデジタル音源だけで曲を書いてみました。

また、Photoshopの練習も兼ねてその曲のイメージ画像も作ってみました。

趣味と仕事を結びつけて、総合的に自分自身のスキルを伸ばしていくと同時に作品として残していくことができるのは楽しいものですね。

グラフィックも音楽もまだまだ鑑賞に値するほどのものではないですが何もやらないと上達はできないですから、少しずつクオリティを上げていけたらと思います。

デジタル楽曲とそのイメージ画像の制作は今後の自分の創作活動の新しい地平線を見せてくれたような気がします。

ちなみに、過去の音源ですが似たようなコンセプトのInner Spaceも引っ張り出してイメージ画像を作ってみました。

ベタな学習過程の作品ですね。

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