リトル東京でJapanFilmFestival(と言ってもとても小さな規模なのですが)が開催されていたので、気になった映画を観に行ってきました。

タイトルは向日葵(ひまわり)の丘。

高校生の頃に友人達と映画に没頭した主人公が、友人の病気をきっかけに30年ぶりに里帰りするというストーリーでした。

詳細はネタバレになるので書けませんが、自分的にとてもツボにはまるお話しでした。
低予算の映画なんですが、その分ストーリーや人物描写に集中できてヒューマンドラマが楽しめました。

小作品ならではのこういう映画も味わい深いものですね。

主人公が30年ぶりに帰郷するシーンで、いろんな思い出の場所を歩いて回ってはその変わり様に戸惑うのが自分の体験と重なるものがあり、同じような境遇の人には胸にくるものがある映画だろうなと思いました。

思い出の場所が住宅地になっていたなんて、実体験がある人にはそれはそれはとても切ないものですよね。

友人や両親との再会やためらいなど、当事者達にとって人生の忘れられないシーンになるだろう場面はスクリーンに釘付けになりました。

自分も同じようなことがありまして、その時に書いた歌は今でも自分にとって大切な歌となっています。

いつかきちんとした作品にして公開したいものです。

この映画の中で「お金を手に入れて、日本がアメリカを抜いて経済で世界一になって、欲しいものが買えるようになって、それで幸せになれるのだろうか?答えがわかったら教えてくれ。」と映画館の老館長のセリフがあるのですが、主人公は30年後に帰郷した際に、「こうして自分達が作った映画を当時の仲間達と一緒に見ることができる。これも幸せの一つなのかなって思う。」と語ります。

物に恵まれても、お金があっても、心の底から満たされることはそうないのかもしれませんよね。

人生はいいことばかりではなく、辛いことの方が多いかもしれないけれど、人生を分かち合える友がいるというのは本当にかけがえのない人生の宝だと思います。

そういうことをスクリーンの中から語りかけてくれる素敵な映画でした。

上映後に太田隆文監督のお話や質問コーナーがあったのですが、監督ご自身も映画を学ぶためにLAに数年留学していたらしく、帰郷時の街の変化やしばらくぶりにLAにやって来た際に知り合いが亡くなられたことなどがあり、その想いも映画に込められていたそうです。

なるほど、想いのこもった作品は心に響くものですね。

丁寧に丁寧に手作りで仕立てる、物作りの原点に立ち戻ったような気分です。

久しぶりにみる日本の映画は物悲しさと懐かしさに溢れ、しっとりと心に染みる良質な一品でした。

Blurayであったら手元に置いておきたいなぁ。

それにしても、映像と音楽が結びつくと本当に素晴らしいですよね。

ほとんどの人は映画を見る時に音楽に意識はいかないでしょうし、また、意識を音楽に惹き付けずにストーリーに集中してもらうための音楽でもあるわけなのですが、丁寧に作りこまれた音楽は心にすっと入ってきます。

自己主張する音楽ではなく、そっとストーリーを引き立てる刺身のつまのような音楽。

やっぱり自分はそういう音楽が好みですし、そういう楽曲制作をしていきたいなぁとの想いがさらに強くなりました。

制作の場に戻ってきたこともあり、長年想い描いていたことを小規模ながら実現できるように手をつけ始めていたところなので、今日の映画はちょうど良いタイミングで指針を与えてくれたような気がしました。

映画ってイイものですね。