音源を製作する上でモニタリング環境はとても大切ですね。

去年の8月にYamahaのHS50Mを中古で手に入れて、それまでのコンピュータースピーカーとモニターヘッドホンの環境から進展してたんですけど、やっと現在の環境を活かして音源作りに取りかかれるようになってきました。

それまで使っていたコンピュータースピーカーもそれなりにバランスよく音が聴けていたんですけど、基本的にはヘッドホンでミックスをして、コンピュータースピーカーでそれなりに聞こえることを確認したのちに、スタジオのスピーカーでどう聞こえるかを確認して、そこでの違いを参考にして自宅で再調整、調整後の音源をまたスタジオで確認、最終的にはスタジオで満足できるバランスになった時に完成という工程で音源を作っていました。

いくつかの環境で聴き比べるのは大切なことだと思うのですが、それぞれのキャラクターの違いが大きいとどこで折り合いをつけるかがなかなか大変でした。

最終的な判断基準となるスタジオのモニターでどう聞こえるかを想像しながら音を作っていくのですが、スタジオのスピーカーはKRKのRP5で低音が強く出るモデルでして、自宅で音を作り込んでもスタジオで聞くと低音が太く聞こえて高音が薄くなるという傾向がありました。

バンドCentral Avenueで作っていた音源はロックテイストのポップスでしたし、昨今のリスナー環境が低音を強調した再生環境にある傾向が強いので、それに合わせて低音が強く出るモニターは都合が良かったようです。

スタジオでは低音が太くなることは分かっていたのですが、それがどれほどなのかは、同じ環境下で聴き比べるフラットな性能のモニターと聴き比べることができていなかったために実際には分からないままでした。

ですので、本格的に音源を製作するためには、自宅にフラットな音で再生できるモニタースピーカーが必要でした。

コストパフォーマンスを考えるとYamahaのHS5が良さそうで、いつかはそれを手に入れようと思っていたのですが、1世代前のHS50Mを中古で安く手に入れることができたので、そちらを繋ぎとして買って、徐々に環境を整えていくことにしました。


これはHS5です。見た目がHS50Mとそっくりですよね。

ネットのレビューを見るとHS5とHS50Mは多少の違いはあるようですが、見た目がほとんど同じようにサウンドも同じ傾向でフラット&ナチュラルな再現性のモニターで、多少低音は薄くて音の奥行き感が乏しく感じられるものの、素直な音で再生してくれるようです。

色々な曲をHS50Mで聴いてみましたが、どれもがシャキッと聞こえるようになって、製作環境の進展を強く実感しました。

オリジナル音源をアップしていくプラットホームのサイトが去年の夏にできた後、幸運なことにモニタースピーカーを手に入れることができ、これで未完成の音源を仕上げられるぞと思ったところでホリデーシーズンに入り慌ただしくなってそのまま年をまたいでしまいましたが、やっと身辺が落ち着いてきたようです。

音源製作シーズン突入の第一弾として手がけた音源が終盤に差し掛かり、「今日あたりサウンドチェックしておいたほうが良いなぁ〜」とスタジオでチェックしようと音源を持って先日スタジオに行ってきました。

ちょうどCentral Avenueの現メンバーが音源製作をする日だったみたいで、「すいません、ちょっとお邪魔しますね〜」と彼らの作業が始まる前にサウンドチェックをさせてもらいました。

いつもサウンドチェックをする時には、スタジオではどのように聞こえるのかを把握するために参考音源をしばらく聴いてから耳を慣らすんですけど、それまではロック系やポップスの曲を参考音源としていました。

今回はボッサの曲なので、いくつかの参考曲をスタジオで聴いてみたのですが、ナチュラルな感じの曲だとスタジオのモニターでは低音がボワボワと滲んだように聞こえてしまい、ナチュラルな雰囲気のボッサのミックスは難しそうでした。

持ってきた製作中の音源も低音が滲んでしまったので、ミックスの方向性としては概ね狙った方向へ行っているのは分かって良かったのですが、この環境ではあまり参考になりそうもありません。

「参ったなぁ〜、ボッサのミックスはスタジオじゃ参考にならないかぁ」と帰ろうとしてミキシングルームを出ると、ふと視界の横にモニタースピーカーらしきものが…。

箱には、なんと!

Yamaha HS5
とあるではありませんか!?

ぬわんですとっ!!???

「あれ!?これどうしたんですか?」と尋ねると、「モニター用に別のスピーカーを買ったんだよ。」とYukiさん。

聞いてみたところ、僕がいた頃とCentral Avenueのメンバーが変わっている関係でサウドの傾向も変わってきたようで、Yukiさんもフラットな性質のモニタースピーカーの必要性を感じていたようです。

「マジっすか!? 今、スピーカーを変えてみませんか!」
とおねだりして、その場でスピーカーをHS5に取り替えて先ほどの音源を再生してみました。

おぉ〜、全然違う~!!!!!!!!!!

RP5に比べてボワボワ感が消え、図太い感じや力強い感じはなくなったものの全体のバランスが整って引き締まって聞こえました。

やはり、モニタースピーカーが違うと随分と違うものですね。
スピーカーの方で色をつけたりしないで、なるべく素直な音で再現してくれるスピーカーを使うということは、自分が作るサウンドにとってはとても大切なことだったので、これはとてもありがたいです。

それにしても、このタイミングでスタジオに来るなんて、なんてラッキーなんでしょうね。
結果として、RP5とHS5をその場で聴き比べることができました。

ふと「あ、そうだ、スタジオでサウンドチェックしないとなぁ〜」なんて思いついただけだったんですけど、なるほど、そりゃぁ、今日来たがるわけですよねぇ。
そういうことだったのかって妙に納得してしまいました。

そして、ここ数年の間に作ってきた音源がどうも低音が薄く感じられていたのは、最終的にスタジオの大きな音量の中でRP5で低音が若干強く聞こえるような状態に仕上げていたことが影響していたと分かりました。

参考音源と聞き比べながら、低音が強く出るスピーカーでこれぐらいに聞こえるのだからというところでバランスを取っていたのですが、スピーカーでの低音増加が予想以上に強く、実際の音源を一般的な環境で聞くと低音がスカスカになってしまっていたようです。

そして、さらに気がついたことが…。

 

自宅のHS50M環境で作ってきたものが、スタジオのHS5環境でも似たような感じで再生されていたんです。
HS5が後継機なので、そりゃぁそうだって話なんですけど、自宅で作ったものがかなりあてになるということを意味しています。
これはRP5の頃と大きく違います!

スタジオのRP5でどう聞こえるか音を想像しながら作ったり、スタジオでの聞こえ方を参考に終盤で大きく調整を加える必要がある今までのやり方と、これからの音源製作が大きく変わって進行がスムーズになりそうです。

スタジオでモニターするっていっても自宅とスタジオは車で片道30分(渋滞路1時間以上)はかかりますから、この時間の節約だけでも大きいです!

しかも、いつか手に入れようと思っていた念願のHS5環境がスタジオで整ってしまいました!
それだけで数百ドルの出費が抑えられました!

この分、他の機材に予算を回せますね!
じゃぁ、次はインターフェイスか〜!?
HS5の次に手に入れようとしていたモニターも視野に入って来ましたよ〜。

まぁ、そこらへんはまだまだ先の話ですけどね。

先日、漠然と「どうやら今が始める時っぽいぞ。ぼちぼち準備が整ったってことなんだろうなぁ〜」なんて思っていましたが、こういう展開になるとは想像もしませんでした。

日々準備を積み重ねていくと、「その時」が来た時に信号が青になるように人生のGOサインが出るものだと今までの人生経験から学んでいましたが、またまたそれを見せてもらえたような気分でした。

「うん、やっぱりもう音源製作の時期に入っているんだな〜」と実感するとともに、人生の不思議さと面白さに想いを馳せる3月のある日なのでした。

さぁ、音源を仕上げてアップするぞ〜!