NYに出張中のウメジュンさんが戻ってきたので、今日はドラムのレコーディングです。
Promiseは終了しているのでプロジェクトは次に進んでいます。
...と言いたいところなのですが、以前に録音していた他の曲のトラックでフロアタムにノイズが乗っていたので、その曲の取り直しをする事になりました。
そんな訳で、今日は「For You」のドラム録りです。
ドラムの録音はマイクのセッティングにかなり気を使います。
どのマイクを選ぶのか、マイクは何本立てるのか、どこを狙うのか、打面との距離、マイクの向き、音の反響と分離....。
その音がどのような行程を経て商品として消費者に届いているのか、以前は考える事もありませんでしたが、「良い音を録る」ただそれだけのために相当な時間と注意が注がれているんですね。
マイクの立て方1つとっても向きや距離が違うだけで同じ音を録音しても暖かみや深さ、鋭さなどの音の表情がずいぶんと違うんです。マイクは音の入り口。作品がガラッと変わってくる部分だけに、ここできちっと行程を踏んでおかないと後で泣く事になってしまいます。
楽器演奏とは違うエンジニアリングの知識と経験が要求される部分ですね。
マイクのセッティングが終わると、次はサウンドチェックです。
それぞれのマイクごとにノイズが乗っていないかを確認して、ゲインや各マイクの音量レベルのバランスをとります。
ドラマーさんへ返すモニターのバランスって意外と見落としがち(?)だと思うんですけど、このあたりはシュンさんもウメジュンさんも手慣れたもので、ウォーミングアップ中にヘッドホンから返ってくるモニターの音もきちんとチェックしています。
「ギターのトラックを下げて、クリックの音量を上げて下さ~い。」
「あいよ~。ピアノをもっと返す?」
「いえ、大丈夫ですよ~。」
「OK! じゃぁ、いってみようか!」
こんな感じでサクサクと進んで、すっと録音が始まりました。
何気ない行程ですけど、これもとても大切な事なんだなって思います。
モニターに返ってくる音がプレイしにくい状態の音では演奏に集中するのは難しいですよね。
自分の演奏しやすい状況を作ることを妥協せず、きちんと要求を出す事ができることってプレイヤーにとって重要な要素なのではないでしょうか。
結局はそれが作品のクオリティに関わってくるのですから。
プロの人から学ぶ事って本当に多いですね。
今日のマイクセッティングです。
ウメジュンさんの提案で、前回とドラムの向きを変えて正面の音が隣の部屋に抜けるようにしています。録音したテイクを聴いてみたらキックの音からぼやけた感じが無くなってシャープになりました。
部屋の反響って侮れないですね。
....それにしても....
ウメジュンさん....ただのドラマーじゃないです。
(オヤジバンドブログ「Central Avenue in Los Angeles」から転載しました。)
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