ここのところ音楽制作とは関係ない話題が続きましたが、プロジェクトはきちんと進んでいます。
今手がけているのはシャンペーンさんの書いた曲、「Feeling of Sorrow」です。
今までのCentral Avenueの曲調には無い、マイナーでシリアスな曲調です。
...と言いますか、考えてみれば今までの曲はYukiさんの曲ばかり(Promiseの原曲は僕の作品でした)なので、Yukiさんの作風とは大きく違うと言った方が的確かもしれません。
さて、シャンペーンさん作曲の「Feeling of Sorrow」。前々から曲のモチーフはあったんですけど、他の曲を手がけていてなかなか進んでいませんでした。でも、ある程度の所まで他の曲が進んだので、そろそろYukiさん作曲の曲以外も手がけていこうという事でシャンペーンさんの曲を手がける事になりました。
たまたまシュンさんが用事があって出かけている数時間の間にYukiさん、シャンペンさん、僕の3人でシャンペーンさんのアイデアを元にデモトラックを作ってみました。
最初は余った時間を雑談で消費してしまうのは勿体無いということで、何かできないかなと思って何となく始めた事だったんですけど、そこそこに作業が進んだので1曲分のガイドラインぐらいは作る事ができました。
今までは時間があれば雑談に走ってしまう週末のオヤジの集い状態だったのですが、これは意識面での進歩が伺えて、とっても良い傾向だと思います。
LAのオヤジ達は週末に友人の家に集まってバーベキューやビール片手のスポーツ観戦が定番です。
それと同じ事をしていてもクリエイティブな事はできませんからね。
人生の後半戦でチャレンジをしようというのでしたら、人と同じ事をしている訳にはいきません。
ある程度トラックの形ができてきた頃に、シュンさんが戻ってきました。
シュン「なんか、あんまりぱっとしないね。」
Rio「ラフなスケッチ状態ですからねぇ。」
(でも、トップクラスの人達だったらバリバリなモノを作れるんだろうなぁ。)
シャンペーン「じゃぁ、ちょっと仮歌でも入れてみようか。」
シャンペーンさんがレコーディングブースに入って、仮歌の録音が始まりました。
編集ルームに流れる歌声を耳にしたところ、みんなの共通の感想は....
「すっげぇ~、ド演歌!!」
そうなのです。
アメリカ西海岸にあるアメリカ第2の都市ロサンゼルス。
そのダウンタウンの一角に演歌ゾーンが急遽発生したんです。
演歌が好きなシャンペーンさん。
幼少の頃からLAで育っていて英語は堪能。
英語の歌を歌わせるとテイストある声が様になってカッコイイのですが、日本語の歌で感情を込めると、演歌好きが災いしてかポップスな曲も演歌チックになってしまうという不思議な現象が起こるのです。
アメリカ暮らしが長いのに、なぜここまで日本海の荒波が見える歌が歌えるのか?
英語で歌うとアメリカの荒野や地平線、乾いた空気が感じられる歌になるのに、日本語で歌うとなぜこんなにウェットになるのか?
本当に不思議な現象です。
演歌歌手の歌唱力、表現力、ダイナミクス、声の使い方、さらにはステージングって本当に高いレベルにあると思います。
演歌歌手をリスペクトするシャンペーンさんならではのマジックです。
もしかしたら、幼い頃に海を渡ったシャンペーンさんの日本への想いがそうさせるのでしょうか。
歌い方だけでなくトラックの演奏も演歌風に聴こえる原因の1つでした。
日本人特有の表のビートが色濃く出すぎていたため、ズンチャカズンチャカした感じになっていたんですね。
シュン「こ、これはマズいよね...。」
シャンペーン「いやぁ~、好きやからねぇ~。でもマズいよねぇ~。」
その後、シュンさんの手によってトラックが猛烈な速さで書き換えられていきました。
リズムも複雑に、音色も近代的に、ハーモニーも重ねて....
トラックが現代的なテイストに変わったことで、演歌なテイストがかなり薄れていきました。
同じ歌のトラックなのに不思議なものですね。
歌は演歌でもサウンドをLAのサウンドにする事で、面白い感じになってきました。
Karyn White / Facts of Love – Jeff Lorber
LAの音ってやっぱりこんな感じですよね。
Jeff Lorber....うぅ~ん、もの凄いキレの良さです。
これは個人的にもぜひ取り入れていきたいテイストです。
Central Avenueの音楽の大海原への航海は、日本海の荒波と共に Santa Monicaに沈む夕日と共にまた新たなステージに進んでいくのでありました。
(オヤジバンドブログ「Central Avenue in Los Angeles」から転載しました。)
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