昨日のアッツ&スターズのリハの最中にバンドのリーダーであるアッちゃんから「今日はパーティーに誘われてるんだけど、来ない?」と話が出ました。
どうも、音楽関係の人からの誘いで、レコーディングスタジオでパーティーが開かれるのだとか?
パーティーや人の多い所は苦手なのですが、レコーディングスタジオで開かれるってことは、もしかしたら、現場の機材を見るチャンスがあるかもしれません。
これは逃すわけにはいかないですよね。
そんなこんなで、バンドのみんなでパーティーに参加する事になりました。
場所はユニバーサル・スタジオの付近で、ミュージシャンが多く暮らす街の「North Hollywood」。
地元の人は略して、「NoHo」(ノーホー)って呼んでます。
スタジオの名前は『NRG Recording Studios』。
http://nrgrecording.com/studio/studio-a/
Central Avenueでエンジニアリングに関わるまでは遠い世界だと思っていたレコーディング・スタジオ。
いつかは実際のスタジオを見学してみたいなぁと思っていたのですが、ひょんなことから実現してしまいました。
会場に着いてみると、近所迷惑も何のその、音楽がガンガンと流れていて、沢山の人で溢れかえっていました。
ミュージシャン風の人や、業界人っぽい人、普通の格好の人(だけど制作側の人達風)、セクシーな格好の奇麗なおネーサン達。
映画やテレビドラマで目にするような光景でした。
それにしても何でレコーディング・スタジオでパーティーなんだろうと思っていたら、メンバーを誘ってくれたショーンが現れて色々と話をしてくれました。
ショーンは昔、このNRG Recording Studiosでエンジニアをしていたそうです。
日本人の奥さんと結婚して、もっと普通の生活をしたくて転職をしたって話してくれました。
その場に行きたくても行けない人がいっぱいいる世界なのに、そういう人もいるんだなぁ~と、なんとなく意外な感じがしました。
でも、ショーンの気さくな雰囲気や柔らかい物腰や笑顔に、それが彼にとって自然な事だったんだなって妙に納得しました。
ショーン曰く、今日のパーティーは新製品のお披露目会なのだとか。
なるほど!
それでレコーディングスタジオで開かれてるんですね!
これがその製品だそうです。
Slate Digital社のテープマシンのエミュレーター
「Virtual Tape Machine」
NAMMショーでも展示されていてみたいですね。
「スタジオの中を案内してあげるよ!」
そんな訳で、ショーンのガイドでスタジオ見学ツアーが始まりました!
レコーディングスタジオA
コウヘイくん、様になっていますね。
ちょっと見た目が旧式のコンソールのような気がしますが、いかにも!って感じの雰囲気ですね。
ルームモニターやリスニング用の小さいモニター、壁から離れたコンソールに、ソファーがあったりと、シュンさんが話してくれるレコーディングスタジオの様子とまるっきり一緒で、新鮮な驚きというよりも、「こういう感じなんだなぁ。」って確認できた感覚の方が大きかったです。
なんか、それも妙な話ですよね。
奥のモニターでは例のVirtual Tape Machineが稼働しています。
レコーディングブースはこんな感じでした。
コンソールからデモ用の音源が流れていたのですが....
もしかしてこれって現場のモニターの音をチェックするチャンス!!??
早速、プロのミュージシャンがどんな音で自分の音を確認しているのか確かめてみました。
(こういう発想が持てるようになっているのもCentral Avenue効果ですね。)
ヘッドホン....ボロボロでした。
確かに毎日使っていたらすぐにボロボロになっちゃいますよね。
Sonyのを使っているかと思ったらaudio-technica製のを使ってるんですね。
でも、試してみて納得!!
凄くクリアで音のバランスが良かったです。
(2020年に僕もaudio-technicaのヘッドホンを買いました。→その記事はこちら)
ふむふむ。
Central AvenueではSonyのMDR-900を使っていますが、モニタリングに関してはプロの現場のクオリティだったことを実感しました。
ピアノを別部屋で個別に録音することもできるみたいです。
次はレコーディングスタジオB。
コンソールを撮影するのを忘れてしまいましたが、さっきの部屋と違うコンソールで、またまた古い感じがする卓でした。
ボタンがところどころ無くなっていましたけど、中のスイッチを直接押して使ってるのでしょうか?
きっと、修理にも相当のお金がかかるんでしょうし、かえって現場っぽい気がするので、それはそれでイイものを見させてもらった気がします。
こっちのレコーディングルームはバンドのデモ演奏が行われていたので、機材がそのまま並べられていました。
ショーンが実際のレコーディングの様子を色々と説明してくれました。
ドラムのセッティングはマイキングの参考になるので、ちゃっかり撮影しておきました。
それに関しても、シュンさんとウメジュンさんの話そのまんまで、機材は違えどCentral Avenueでやっていることと同じ事をしているのが分かりました。
ギター録音用の小さな小部屋や、壁にまとめられたケーブル、スネークケーブルのボックスにモニター用のミキサー....本当に同じ事をしているんだなって、妙に親近感が沸きました。
そして最後はミックス用のスタジオC。
おぉ~!!!!
遂にきました、SSL!!!
壮観です!!
正面はこんな感じです。
向いのモニターProToolsの画面が表示されるんでしょうか。
トラック部分はまさにReasonそのもの。
Reasonがどれだけミュージシャンの事を考えて設計されているのかが伺えます。
シュンさんが「Reasonに慣れておけば、レコーディング・スタジオのコンソールに座っても、それなりに使えるようになれるよ。」って言っていたのも納得です。
ちゃっかり、フェーダーの動きやボタンの感触をチェックしておきました。
なるほど、話に聞く通り...ちょっとニヤッとしてしまいました。
卓の背後にはラックがこんな感じに....。
こういうところも、どことなくReasonっぽい気がするのは多分気のせいじゃないと思います。
ここにもVirtual Tape Machineが。
LAのNorth Hollywoodにあるレコーディングスタジオ、NRG Recording Studios。
つい先日にはLinkin Parkのレコーディングが行われていたそうです。
昔、バンド「Breaking Up」や「After Broke Up(仮)」の頃に使っていたスタジオでどこかの部屋がLinkin Parkが使っていた部屋だって聞いた事もありますし、なんかLAって不思議な街ですね。
そう言えば、B’zのポップが張られていましたが、B’zもここでレコーディングかミックスをしたんでしょうか?
http://nrgrecording.com/clients/
サイトが更新されて無くならないように、NRGのサイトからB’zが使われている画像のスクリーンショットを撮影してみました。
海外のバンドの仕事も引き受けているみたいなので、興味がある人はコンタクトをとってみてはどうでしょう?
写真では人がいなくてスカスカな印象ですが、実際は人がゴチャゴチャと溢れかえっていて、色んな人がコネクションを広げていました。
プロデューサー、エンジニア、プレイヤー、コンポーザー、バンドマン。
ビヨンセに曲を提供したブレイク前のシンガーソングライターやスティーブ・ルカサーの息子も来ていました。
バンドのリーダーのアッちゃん曰く、「ギターは巧いんだけど、アイツ性格悪いから一緒にやりたくないタイプ。」だとか....。
「お願いしても一緒になんて弾いてくれないでしょ。」
ってもっともなツッコミは置いておくとして....。
一時期、Jeff Beckとツアーを回ったベースのTal Wilkenfeldが寿司を食べに来たとか、テリー・ボジオの息子と一緒にバンドを組まないかと誘われたとか.....。
ミュージシャンとの距離感がちょっと違う不思議な街LA。
そんな街で、レコーディングスタジオで現場の機材に触れる事ができて、Central Avenueがプロと同じ方向を向いて音作りをしている確信を持った貴重な夜でした。
やっぱり、こういう1枚はお約束ですよね。
(オヤジバンドブログ「Central Avenue in Los Angeles」から転載しました。)
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