DTMで曲作りをしていると、作品を動画にして公開してみたくなりますよね。
僕もその1人なのですが、Youtubeやツイッターなどで時々DAWのピアノロールのような画面が音楽ゲームのように表示されている動画を見かける事がありまして、僕もいつかはあんな動画を作ってみたいと思っていました。
僕が作る曲の多くはギターの演奏を軸にしているので、ピアノロールだけの動画というわけにはいかず今まで保留にしていましたが、先日Chiptuneの勉強のためにボサノバの名曲「イパネマの娘」をゲーム音楽風にアレンジしてみまして、それを動画にする際にピアノロールの動画にしてみたいと思い、この機会に挑戦してみました。
ちょっとつまづいた箇所があってなかなか思うようにいきませんでしたが、その原因も分かり、なんとか動画にする事ができました。
もしかしたら同じようなところで悩んでいる人もいるかもしれないと思いまして、自分への備忘もかねてブログに残しておこうと思います。
ピアノロールのオシャレな動画を作りたいと思っている方に、参考にしていただけたら幸いです。
使うアプリはMIDI Trail
僕が使用したアプリはMidi Trailというアプリです。
こちらのサイトからダウンロードができます。
僕はMac版をApp Storeからダウンロードしました。
このアプリは2D、3Dといくつかの表示方法がありまして、巷で見かけていたピアノロール動画の多くが、このアプリで作られていたことを知りました。
先ほどの表示以外にも
こんな表示や
音ゲーみたいな表示もあれば
こんな表示もできてしまいます。
MIDITrailを使えば、あなたもこういう動画が作れるようになります。
MIDI Trailの使い方
基本的にはMIDITrailを立ち上げて、MIDI TrailのウインドウにDAWから書き出したMIDIデータをドラッグして再生するだけで、ピアノロールのアニメが再生されます。
あとはお好みで表示方法を選ぶだけです。
トラックの色を変えたい時は、操作マニュアルを参照しながらファイルを直接書き換える必要があります。
WindowsではMIDITrailインストール先のconfフォルダ内に収納されています。
Macでは「アプリケーション」>「MIDITrail」>「Contents」>「Resources」>「conf」内にあるそれぞれの表示スタイルのファイルをメモ帳などのテキストエディットアプリで開いて、該当する部分を書き換えます。
ちなみにMacではOSのバージョンによってはファイルが表示されていないこともありますので、その際はアプリケーションフォルダー内のMIDITrailのアイコンを右クリックすることで表示されるメニューから「パッケージの内容を表示」を選んでフォルダーの中身を開いてください。
ファイルの内容を書き換える際には、念のためにファイルを複製してオリジナルの状態を予備として保存しておくことをお勧めします。
色情報は8桁の16進数で表示されています。
内訳はこのようになっていて、RGB+透過度になっています。
「赤2桁」「青2桁」「緑2桁」「透過度2桁」
FF0000FFだと赤100%の塗り潰しになります。
見慣れていない方には何のことか分かりにくいかもしれませんが、デジタルの色の表記方法だと思ってください。
0~Fまでの16進数を使い、16×16で256段階の細かい指定ができます…が、気にしなくて良いです。
00が数値無しのゼロ状態、色で言ったら無色。
FFが最大値のマックス状態で、色で言ったら一番鮮やかな状態になります。
Red、Green、Blueの3色を掛け合わせることで様々な色を表現します。
3色全てがFFだと白、3色とも00で黒になります。
透過度は00が完全透明状態で非表示、FFで完全表示の塗り潰し状態になります。
テキスト入力しながら色を確かめるのは手間なので、このようなサイトを使うと便利です。
MIDITrailのファイルの中のチャンネルごとの色の記述を、お好みの色に変えて上書きすることで色を自由に変える事ができます。
半透明にしたかったら最後の2桁を「88」「99」「AA」などのゾロ目にしておくと分かりやすいと思います。
さぁ、これで色も表示方法も自由に選べるようになりました!
…のはずだったのですが、僕の場合、残念なことに全てのトラックが同じ色で表示されていました。
マニュアルを見ながら色の設定を変えても、どのトラックも同じ色という状態…。
MIDITrail自体は正常に機能しているようなので、DAWから書き出したMIDIデータに原因があるのかと調べてみたところ、やっとその原因が分かりました。
僕はLogicを使っているのですが、Logic内で再生する分にはトラックごとに違う音色で再生されていても、MIDIデータを書き出す際に全てのトラックがチャンネル1として書き出されていました。
なるほど、確かに、そのデータをMidiTrailで開いても単色にしかならないですよね。
分かってしまえばなんてことない事なんですけど、その仕組みを把握するまで「一体どうなってるの?」って頭を抱えてしまいました。
このブログを見ている方にはそんなことに時間を消費せずに、サクッと動画を作ってDTMライフを楽しんでいただけたらと思います。
さて、その対処法ですが、Logicで任意のトラックを選択した状態で画面右上のリストエディタボタンをクリックしてリストエディタパネルを開き、イベントタブで表示されているMIDI情報を変更しました。
MIDI情報を全て選択した状態で、チャンネルの数字を任意の数字に変えます。
全選択は[command]+[A]が便利です。
僕の場合は、このチャンネルが全て1になっていました。
なので、書き出したMIDIデータは全てチャンネル1になっていたんですね。
MIDITrailで再生したいトラックをそれぞれ個別のチャンネルに設定することで、無事にMIDITrailでトラックごとに違う色で表示されるようになりました。
僕が使っているDAWはLogicですので、もしかしたら他のDAWをお使いの方は問題無くMIDITrailで複数の色で表示されるのかもしれませんが、もし僕と同じように単色表示になっている方は、ご自身のDAWからMIDIデータを書き出す際に、チャンネルの指定がどのようになっているか確認してみてください。
MIDITrailは再生するだけ
さぁ、これでMIDITrailでそれぞれのトラックを色違いで表示できるようになりました。
あとは動画に書き出すだけ…といきたいところなのですが、残念ながらMIDITrailには動画を書き出す機能はありません。(2020年10月時点)
再生音もMIDI音源なのでDAWでかけたエフェクトやミックスは再現されません。
なので、ここから動画にしていくには少し手順を踏む必要があります。
必要なものは以下の3つです。
●DAWから書き出した音声ファイル
●PCの画面を録画するキャプチャー
●動画編集ソフト
まず、DAWから動画で使用する曲を書き出します。
次に、キャプチャーアプリでMIDITrailを再生している画面を撮影します。(Macでは[command] + [shift] + [5]で録画ができます)
そして、動画編集ソフトで音声ファイルとMIDITrailを撮影した動画ファイルのタイミングを合わせて、動画にして書き出します。
ちょっと手間はかかりますが、慣れてくると簡単にできるようになります。
動画編集ソフトは2つのファイルのタイミングを合わせて書き出すだけなので、高価なアプリは必要ありません。無料のアプリで十分です。
MIDITrailで背景に画像を組み込むこともできるので、お好みでご使用ください。
以上、MIDITrailを使ってオシャレなピアノロール動画を作る方法のお話でした。
録音メインの方にはあまり使う機会のないアプリかもしれませんが、打ち込み主体の楽曲制作をしている方には動画制作の際に便利なアプリではないかと思います。
楽曲を動画公開する時のアイデアの1つとしてMidiTrailを取り入れてみてはいかがでしょうか?
今回の内容を動画で確認したい方はこちらをどうぞ。
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